筆者
深井克純(ふかい・かつよし)
前2004年SO冬季ナショナルゲーム事務局長
(中野市西町出身)
アスリートが贈る「勇気」とエネルギー
住民参加でSOを盛り上げよう


 【正直に努力】

 スペシャルオリンピックス(SO)は、五輪やパラリンピックのように世界一の技量のスポーツ選手を決定する大会ではない。ディビジョニング(予選)によって、同一レベルの「八人を上限とする」グループをつくる。決勝は同一レベルのこの八人の中での順位づけをする。

 この際、「Honest effort」(正直に努力する)ルールが適用される。予選で力を抜き、決勝で速いタイムを出した場合は失格だ。簡単に言えば、常に全力を尽くさなければならない。

 全員が決勝に進み、全員が表彰台に上がる。表彰の意味は自己に打ち勝った「がんばった」姿に与えられる。

 【ノン・スポーツ】

 SOはルールが五輪とは大きく異なるものの、競技会である以上、競技の重要性は語るまでもない。しかし、SOの場合「ノン・スポーツ」と総称される競技以外のプログラムが五輪と比較できないほど重要だ。

 ノン・スポーツには@トーチランAホストタウンBSOタウンCヘルシーアスリート、その他多くのプログラムが含まれる。コンセプトはシンプルだ。簡単に言えば、SOは「楽しいプログラム」を実施するか、「役に立つプログラム」を行うということだ。

 〈トーチラン〉

 トーチランは、五輪で言えば「聖火リレー」のことだ。SOの世界では訳すことなく「トーチラン」を呼ぶのが慣わしである。来年二月二○日過ぎ、SOトーチが松本市に入り、二つに分火されて長野県内を走る。名もない時代からSOを支えてきた世界の警察官や消防士が、手弁当で長野に駆けつけて一緒に走るのが特徴だ。地元の警察官、消防士・消防団員の方々や住民有志の伴走も期待される。

 〈SOタウン〉

 「楽しい」プログラムの代表格はSOタウンだ。主な目的はアスリートが地域の方々と交流しながら日本文化に触れるというものだ。ファミリーの方々の参加も認められる。つまり、遠く外国・全国から参集した関係者が、その滞在を楽しくする場所と言える。スポサーが飲食を提供する場にもなるだろう。

 地域の方々の様々な文化グループや音楽グループの出演が大いに期待される。コマ回しや折り紙なども、楽しいプログラムになる。アスリートも迎える者も、誰もが参加者として「楽しむ」ことが大切だ。

〈ヘルシーアスリート〉

 「役に立つ」プログラムの代表格がヘルシーアスリートだ。これには少々説明がいる。

 来年二月には開発途上国から多くの参加がある。このような国々のアスリートは、生まれて一度も「検診」を受けたことのない者も多い。どんなに練習しても上達しないと思ったら、視力が○・一もなかったということが普通におこる。

 大会期間中、目、耳、歯などの検診や矯正を行うサービスが医師・歯科医師のボランティア活動によって行われる。これがヘルシーアスリート・プログラムだ。

 【ホストタウン】

 長旅のアスリートが時差調整や体調管理を行いながら、地域の方々との交流を深めるプログラムがホストタウンだ。

 マッチングの結果は次ぎのとおり。
・中野市=オランダ
・山ノ内町=アメリカ(アルペンチーム)
・豊田村=アイスランド(注)
・木島平村=グルジア

アイスランドは英国の北方、北海に浮かぶヨーロッパの島国である。レイキャビックという首都名をご存知の方も多いだろう。グルジアは旧ソ連の独立国で黒海とカスピ海の間に立地する。

 ホストタウンは二月二二日から二五日の三泊四日にわたって行われる。受け入れの形は「ホームステイ」か「合宿」方式がとられる。どちらにしても、多くの住民参加が求められる。知的障害を超越してスポーツに挑戦するアスリートから「勇気」とエネルギーをもらえることは間違いない。


(注)アイスランド側の諸事情により、豊田村へはグルジアを選手団受け入れることになりました
写真上=2004SOプレ大会の様子
写真下=ホストファミリーとの交流
写真提供:スペシャルオリンピックス日本

(北信タイムス2004年10月15日)
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