筆者
深井克純(ふかい・かつよし)
前2004年SO冬季ナショナルゲーム事務局長
(中野市西町出身)


がんばる「勇気」に対する表彰
感激は五輪以上

SOを理解するには競技、ルールを知ろう


 【低い認知度】

 スペシャルオリンピックスの一般の認知度は低い。アメリカではパラリンピック以上に知られ、認知度は九五%以上とのことだ。一方、日本では五%にも満たないと言われている。それでも北信地域では、二月のナショナルゲームの開催、来年二〜三月にかけて世界大会が開かれることから、徐々に認知されてきているように思われる。

 【SOルール】

SOが知的障害者のスポーツ大会であることは、かなりの人々に理解されるようになった。しかし、まぎらわしいのは、知的障害のある人々にスポーツの機会を提供する運動そのものをSOと呼ぶと伴に、大会の名称自体もSOと称することにある。

 この極めて崇高な運動を理解するには、その競技会のルールを理解することが早道だ。例えば、アルペンスキーの場合、「ディビジョニング」と呼ばれる予選会が行われる。これはタイムレースを行って、上位者から決勝進出者を決定するものではない。レベル合わせに近く、同一レベルの八人以内のグループを作る。

 したがって、ディビジョニングの結果、すべての参加者が決勝に進出する。レベルごと各カテゴリー別の、一位から八位までの順位づけが行われる。

 【重要な表彰式】

 全員が決勝に進出、全員が表彰台に上がる。誰一人として表彰されない者はない。仮に失格になって順位がつかなくとも、表彰式には参加する。

 つまりSO大会とは、五輪やパラリンピックのような絶対的順位を競う機会ではなく、日常のトレーニングの成果を「発表する」ことだ。表彰式は知的障害がありながらスポーツに挑戦する「がんばる勇気」に対する表彰なのである。

 しかし、アスリートにとっては、あくまでもレースだ。表彰台でガッツポーズをとる者、苦しいトレーニングを思い出し涙する者、これは五輪選手もSOアスリートも違いがない。すなおな感情を表現する点では、五輪以上の感激がある。

 【SOの雪上競技】

 SOの雪上競技にはアルペンスキー、クロスカントリースキー、スノーシューイング、スノーボードの4つが含まれる。

 参加者が最も多いのがアルペンスキーで、二月のナショナルゲームの際には、全競技参加者の三分の一を占めた。

 国内では最近スノーシューイングを履いて自然観察する人々をみかけることが多くなった。SOの世界では、この「西洋かんじき」の様な歩行具による競争を種目に採用している。知的障害のある人々が雪に親しむ観点から重要な種目だ。

 スノーボードに続いて、スノーシューイング=写真=は間違いなくSOの世界のみならず一般にも人気の雪上スポーツになるだろう。「スローライフ」という現代的コンセプトに合致するからだ。

 【競技会場地】

 SO世界大会のアルペン会場は志賀高原一ノ瀬ファミリースキー場。二月にプレ大会の第三回ナショナルゲームを開催した。国際本部の関係筋によれば、このプレ大会は過去の世界大会のレベルを超えたとの評価だ。

 スノーシューイングは、二月のプレ大会の際、白馬村でクロスカントリーと同時開催で行われた。二競技を同一施設で同時開催することで多くの問題が生じた。

 今般、野沢温泉村がスノーシューイングの開催を了承して下さった。毛無山をバックとする豊かな環境の中に設定された五輪施設で、史上はじめてスノーシューイングの世界大会が開催される。雪上スポーツの歴史に新たな一頁が加えられる。村関係者の勇断に心から感謝したい。

 その他、前述のようにクロスカントリーは白馬村、スノーボードは牟礼村で開催される。

 世界の知的障害のあるアスリート達は長野を目指してトレーニングに励んでいる。五輪施設を中心に実施される世界大会へ参加することを楽しみにしている。準備の時間は短い。しかし、五輪と変ることない万全の受け入れに努めていきたい。

写真上下=2004SOプレ大会の様子
写真提供:スペシャルオリンピックス日本

(北信タイムス2004年8月13日)
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